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石鎚山お山開き2022

石鎚山お山開き2022

四国の霊峰石鎚山は
30歳のときに
母が7か月の私の長男を抱き
山頂に登って以来
遠くから眺めているだけのお山でした。
その時の私は
出産後で体力もなく
とにかくしんどくて
登山は自分には向かない、
もう二度と登らないと
思っていました。
コロナ禍直前に
親しい僧侶の法龍さんから
「これからの災害や
思ってもみない出来事に備えて
時と場合によっては
救う立場にもなりたい。」
と筋トレを始められたお話しを聞き
そうだ!私も助けられる側ばかり!と
筋トレを始めました。
体力がつくにつれ
花の入ったバケツを持つのは楽になるし
気力にも満ちるようになり
心のどこかで
「お山にも登れるかな」
と思っていました。
私の母はもともと
ワンゲルの同好会に入っていたり
お山が大好きなのですが
今の私の年代の時には
介護の悩みや色々から吹っ切れたい時に
お天気の良い日に思い付きで
ひとりで石鎚に登って
「あー元気になったー!
お山に登ると何もかも捨てて来れる。」と
笑顔で報告してくれていました。
そんな母を当時は
変わってるなー
私とは違うなー
と思っていましたが
体力がついた今は
楽しい気分転換法だっただろうな~!
に変わっていました。
今年は台風で
いつも七合目の成就社へお参りに行く
メンバーと予定が合わず
思いがけず
ひとり登山を試してみる機会が訪れました。
前夜母に電話し
持ち物や服装などを教えてもらい
朝5時40分のロープウェイに搭乗。
6時15分に神門を出発しました。
雨が降っていましたが
霧に包まれた森は
しっとりとして
美しい気に満ちていました。
心拍数が上がってしまうと楽になり
半分過ぎても足の運びが衰えない
大丈夫な自分に
雨や汗にまみれていましたが
そんなことは吹き飛ぶほど
嬉しい気持ちで一杯でした。
調子に乗って
途中「試しの鎖」という
鎖をつかみながら登る場所に
挑戦してみたのですが
こちらも子供の気持ちに戻って
遊具のようにヒョイヒョイ上がれて
ウキウキしていたら
「試し」なので
登るだけではなく
降りなくてはいけなくて
降りる時に切り立った岩場に
泣きそうでした。(苦笑)
あとでリチャードさんに
教えていただいたのですが
「試し」は「お試し」ではなく
「試験」という意味で
あれをクリアできたら
本番の1~3ある鎖場は
楽に上れるそうなのですが
トラウマとなり鎖は避け
迂回路をとりました。
その迂回路が最後の正念場。
しんどかったのですが
降りてくる方に
「もう少しですよ!」
と励まされつつ
何とか乗り切り頂上へ。
天候が悪かったり
早朝だったことがあって
すいていた頂上社で
丁寧なご祈祷を受けることができ
幸せでした。
霧に包まれた頂上では景色も見えず
一人なので
おにぎりを食べ終えたら
手持無沙汰になり、寒いしで
すぐに下山しましたが
これが自信過剰でした。
登るより降りる方が
心拍数は上がらない代わりに
すべらないように気を付けながらの
足の運びなどが難しく
負担が大きいですね。
疲れも癒されていないうちに下りたので
歩き始めてすぐに
ヘロヘロになりました。
それでも登ってくる方たちとの
交わす言葉に
笑顔になったり
健気に咲く
山アジサイや山あざみに
励まさりたりで
なんとか成就社に戻ることができました。
リチャードさんや
山本さんともお会いでき
いつものお祭り気分も
たっぷり味わうこともできました。
途中の看板や植物を
母にラインで送っていたのですが
都度リアルタイムで返事があり
私と一緒に登山を楽しんでくれていたようで
嬉しかったです。
下りでヘロヘロになったと報告すると
「それが素人の山登りよ~」と一蹴。
疲れが後にでない
ペース配分が大切だそうです。(汗)
でも、母が言っていた通り
本当に体も心も気に満たされ
帰宅後に掃除も仕事もこなしました。
絶対ないと思っていましたが
いつのまにか
親の背中を追っています。
そして「石鎚山」は
ほどよい厳しさと優しさの混じった
本当に素敵なお山です!
ますます大好きになりました!!
勲章とも言える(笑)筋肉痛の足に
悲鳴をあげつつ
爽やかな
そして満たされた心持ちが
今日も続いています。

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