「犬ふぐりへは小さき風小さき日
　　　　　　　　　　後藤比奈夫」
今朝の天声人語で出会った詩です。
「大きな風であっても
小さな野草には小さな風が吹いているかに見える。
その姿は弱さでは無く
強さであろう」
私たちが薔薇を出荷をしている
大阪鶴見の市場も
いよいよセリが中止で
ウェブ販売のみになると
連絡がきました。
花業界も大変な苦境に入ります。
私たちは小さな小さなバラ農園ですので
方向転換もしやすく
犬ふぐりのように
まだ風当たりも小さくとらえることができますが
どの業界でも
大きな組織に属されている方たちは
本当に大きな風当たりだと思います。
「せめて自分の暮らしに吹く小さな風は
精一杯耐えて、しのぎたい。
野草たちのように。
・・・
会いたい人にも会えないまま
一日一日が過ぎていく。
そんなときにも
終わりは必ず来る。」
続けて綴られていた言葉に
少し勇気が出ます。
そんな中
先日いらしてくださったお客様が
この春入学したばかりの
小学一年生のお孫さんが
うちの薔薇をとても大切にしてくれている
可愛いエピソードをお話しくださいました。
もらったベルローズのミニブーケが
嬉しくて嬉しくて
自分がお気に入りの小さな器に活けて
毎日水替えをして
隣にあるおうちから泊まりに来る時には
一緒に寝るから、
と器ごと薔薇を持ってくるそうです。
こうして
生花を家の中に活けることや
毎日観察して
楽しむことなどを
小さいころから知っていると
これからの人生
どれだけ豊かになるんだろう！！と
嬉しくなり
私にとっての未来の子供たちへ
伝えたいことが
光の筋として見えた感じがしました。
沢山の方々のお陰で
野草のように
上を向かせてもらっています。