丈夫会（ますらおかい）

「あたりまえって、なんでしょう？」
　　　　　　　　　　
毎年、鹿児島知覧にある
特攻の母と呼ばれた鳥浜トメさんが
残した富屋旅館へ学ぶ旅を実施されている
井上さんが亭主として
この言葉から
お話しくださいました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　
「ぼくの残りの命をあげるから
精一杯長生きして」
と若干二十歳の隊員に
命を託されたトメさん。
　　　　　　　　　　　　　　
私たちは
毎回の「いただきます」に
ちゃんと心を込められているのだろうか
そんな風に思いながら

目の前には
特攻前にトメさんが出された
楚々としたおにぎりと目刺しの食事。
　　　　　　　　　
そこから始まった点心はじめ
お道具には
どれも今を精一杯生きた
若者たちへの敬意が
感じられます。
　　　　　　　　　　　　　　　　
知覧への旅行は
社中メンバーも毎年数人
参加していますが
今年は高校生のゆうきくんも参加。
　　　　　　　　　　　　　　　　　
自分と同じ世代だった
若者たちの心に打たれた彼が
記念に買った
鹿児島のお茶「深恩」が使われ
私の席では
彼のお点前で出されました。
　　　　　　　　　　　　　　
丈夫会だけに
お運びもすべて男性で
若くは小学校３年生まで。
　　　　　　　　　　　　　　　
トメさんの思いを
ゆうきくんの心の機微などを通して
しっかり持ち帰られた
井上さんや山本先生が
　　　　　　　　　　　　　　
次の世代に伝えたいことを
茶道に変換されもの
　　　　　　　　　　　　　　
それが
正装をした男性たちの
清々しいおもてなしを通し
ゆっくりと
心に沁みわたってきました。
　　　　　　　　　　　　
最後は
令和へのお祝いで締めくくられ
日本人としての誇りも感じ
晴れ晴れした気持ちになりました。
　　　　　　　　　　　　　　　　
今回は繁忙期にて
お手伝いができず
客としての参加でしたが
　　　　　　　　　　　　
先生ご自宅でのお茶会開催は
お庭の準備から
毎回てんてこ舞いの忙しさと
知っています。