朝茶事にて

すべてをお客さまのためを思って創作し
それが自己表現にもなる茶の湯の世界。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
今回は、チャーティスト舞さんと
パートナー太悟さんお二人の
創り出す世界を
朝茶事として堪能させていただきました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
早朝五時集合。
満点の星の世界から
曙色に染まる空を感激しながら見て
夜明けの鳥のさえずりや
空気の変化を感じながら
手作りの懐石とお茶をいただきます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
わたしはお稽古も兼ねて
図々しくも正客を。

気楽がいいからと
次客に回ってくださった
99歳の塩崎先生は
舞さんの和裁の先生（現役です！！）。
　　　　　　　　　　　　　
お料理もすべて召し上がられ
杖をつかれていますが
「自分で歩きます」
と介助もお断りされ
会話も普通に聴き取れるお耳の良さ！
お会いするだけで
嬉しくなり元気をいただけます。

三客には私の茶道の師匠・山本先生と
末客に同じ社中の高井さんという
気心のしれたステキなメンバーでした。
　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
お床には「円相」の絵画。
「岡野さん、っていう感じでしょ？」
という舞さんのお言葉に
正客としての喜びと
今回のお茶席に込められた大切な思いを
こぼさず受け止めたいと
背筋が伸びる気持ちでした。
　　　　　　　　　　　　　　
みんなの考える「円相」を
ひとりづつ答え
そこから広がる会話も弾みました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
塩崎先生や山本先生は
終わりの無い世界である円は
誰しもがそれぞれ考える円を持ち
同じものはひとつもないと
禅語としての円相を教えてくださいました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
高井さんは
最近行かれたカナダ旅行で感じた
国による習慣や考え方の違いも
この地球のような円相を見ると
みな同じ時間軸で動いている
地球市民だという意味のことを
おっしゃっておられました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
私は宇宙の中で描く円と
今ここで描かれている皆さんとのご縁の円。
それぞれが大きさは違うけれども
丸を描きながら休みなく動いている
…という意味のことを
しどろもどろに説明しました。（笑）
　　　　　　　　　　　　　　　　
何かの折に
塩崎先生が山本先生に舞さんたちのことを
「あんたの教え子は
ええ仕事する子、ばかりやね！」
とおほめになったときに

山本先生が
「そうなんですよ！
それもたくさんいるんです！！
教え子というより『仲間』ですね」
と答えられた会話を小耳に挟み
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
私たち教え子を
仲間として考えてくださっている
師匠の宇宙のようなお心に

大きな大きな円相の中に
おかれている自分を見つけたような
包まれ安心した
喜びに満たされました。
　　　　　　　　　　　　
そしてそれは
舞さんと太悟さんの
素直で大らかな表現を
時間をかけて練り込んだ
おもてなしにより
私の心の中の円が増幅し
描き続けられました。
　　　　　　　　　　　　　
「こんな場面に手に入れました」
とエピソードも楽しいお茶碗や器、
インドネシアの小物入れをアレンジした
茶入れ用の仕覆、
虹色に配置された糠漬け、
水菓子の中のブルーベリーなど