アートに触れる 4
【アートに触れる 4】
北斎展
死ぬ前にもう一度
北斎の作品に会いたいという両親を連れて
あべのハルカス美術館へ。
すごい人に圧倒され
来るんじゃなかった、
来たくなかった、
帰りたい…
と思って並んでいたが
作品に会った瞬間
心を奪われ
呆然とした。
ほぼ大英博物館所蔵の
晩年の30年間の作品群は
年々違う個性があり
エネルギーが凄い。
昔、ゴッホの青にも感動したが
北斎の青にも
目も心も奪われる。
ドビュッシーも影響を受け
交響曲ができあがったという
有名な「神奈川沖波裏」(図録の表紙の波の絵)の前では
3列目にいたが
辛抱強く最前列に出て対面。
左右の人が
丁度それぞれ違う作品を見ている瞬間があって
私と北斎の作品が
一瞬一対一で対峙した時には
よく「スタート目があった!」と喜んでいる
ファンの心境と同じく
天にも昇る心地。
最晩年の88歳~90歳の肉筆画に
「百」という印を護符のように押し続け
百まで生きて真の絵師になりたいという
彼の強い強い意志にも
圧倒される。
がっつり心を捉えられたのは
一緒に行った娘も同じだったよう。
私たちよりずっと早く出たので
そう関心なかったのように見えたが
後で画集を繰り返し見て
気に入った作品を
あれこれ指差し
「お正月に実家に戻ったら
もう一度じっくり読もうっと」
と大学生にも影響大。
老いた両親が言い出したことから
若い彼女の
これからの先の人生へ
キラッと光るための
何かがギフトとなった瞬間を
目撃できたことが
今回一番嬉しかったことだった。
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