香と茶の湯
淡交会定期巡回講演会。
志野流香道の若宗匠のお話で
香道の世界に触れさせていただきました。
香を聞く(嗅ぐ)「聞香」は
茶道のお点前にも登場しますが
香道の深い部分はもちろん
茶道の違いや接点なども知らないままでしたので
今回はまた新たな扉を開いた感覚です。
飛鳥時代から
仏事や生活の中に取り入れて
親しんできた日本の聞香に
使用する素材は
東南アジアでしか産出されない
大地のエネルギーを
長い年月をかけて吸い上げてできた
『沈水香木』。
若宗匠のお言葉では
聞香=「自然界の声を聞く」こと。
皆「幸せ」を求めている世の中だけど
一足飛びに頂点に立てるわけではない。
一歩一歩を大切に
その途中経過の景色を味わうことが
大切ではないか。
五感を働かせ
香りも纏う
日々の生活を大切にすることこそ
世界平和に繋がるのではないか。
そのような内容を
静かにですが
情熱を持ってお伝えくださいました。
中でも特に印象に残った内容二つ。
一つは
現宗匠であるお父様の香点前には
いつもかなわないのは
「人生経験」がセットになっているから。
お点前の美しさは
その所作を意識するだけではなく
その人に備わってくる
人生経験がプラスされているというお話には
年齢を重ねることが
更に楽しみになりました( *´艸`)
そしてあと一つは
この世の名香といわれる
正倉院にも納められている香木
「蘭奢待」(らんじゃたい)についてのお話。
その蘭奢待の一部が
志野流家木として大切にされているが
昨年「令和蘭奢待献香式」として
増上寺の献香されたということで
そのこの世に限りあるものを
燃やすエピソードにドキドキさせられ
香りへのロマンが膨らみました。
茶道を学びながらも
まだまだ知らない世界の方が多く
「途中の景色」も
色々興味をひくことばかり。
立ち止まりながらも
一歩一歩カメの歩みで進んでいます。
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