弄花香満衣
今日のお茶会のお手伝いは
「弄花香満衣」(花を弄すれば 香り衣に満つ)
という掛け軸の説明係だった。
これには「水を掬すれば 月手に在り」
という対句があり、ふたつ合わせると
「水をすくうと
月が手の中に浮かびあがり
花をもてあそんでいると
その香りで衣が満ち溢れる」
となり、禅語では日常のあらゆる事に
真理があらわれている、という解釈もあるそうだ。
今日、お茶会の末席に入れていただいた折に
今回のために社中の皆で
長屋敷窯さんで作らせてもらったお茶碗のうち
私に回ってきたのはこのピンク色のものだった。
形が浮き出た桜の花びらを
そっと指でなぞった感触は
私の心を何とも言えない幸せで満たしてくれたのだが
たまたま作った方の
「眼が不自由な方とも
お茶をもっと楽しみたい」
という思いをあとで聞いたときは感激し
ここ数日親しんだあの禅語を
頭だけでなく
身体全体がストンと受け入れたのがわかった。
まさしく日常には
こうした宇宙からのギフトに満ち溢れているのだ。
たくさんのお客様の笑顔や
山本先生はじめ社中の方たちのお働きのお蔭さまも加わり
ヘトヘトになるどころか
たっぷりの春山を楽しんだような一日になった。
みなさま、本当にありがとうございました!
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