バラの葉染色
染色家・志村ふくみさんの学校
アルスシムラを卒業された
織物作家の野本先生のお宅で
一年に一度の染色教室。
今年は、バラの葉で染めたいと
皆さんからのリクエストがあり
一週間綺麗な葉を冷蔵庫で貯め
お持ちしました。
そんなわけで
お届けのついでに
今年もちゃっかり染色にも参加。
ミョウバンと鉄の媒染で
二種類のスカーフが
出来上がりました♪
先生を中心に
作業をしながらするおしゃべりは
井戸端会議を超えた
アーティストらしい内容で
多岐に渡っていて面白い。
織物作家さんは陶芸家のところへ
お嫁にいくというのは
アルアル話だそうですが
夫である陶芸家のマネージメントや
お手伝いに手がかかりすぎ
織物は結局途中で断念される方が
苦心して集めた材料を
仲間に使ってほしいと
まるごと配ることも多いそう。
そんな風にやめられた方や
あるいは亡くなった方の織機の
貰い手を家族が必至で捜す話なども
広い場所がいるのと
思いがかかわるだけに
切実で苦労があるので
必ず遺書は書いておかないととか。
アーティストの方たちの覚悟と
こうした情報交換が交わされる
仲間同志の絆を感じます。
薔薇の花と棘から
「美の裏には必ず
その反対が存在する」
という話にもなり
先生から
絹糸は美しいけれど
生きている繭を茹でる時の
蚕たちの七転八倒が伝わってくる辛さや
染色のための桜の枝は
花を咲かす前の枝が最高で
花を咲かそうとがんばってきた
その枝を切るときの
心の痛みを聴き
食に関してもそうですが
自然と人とが
折り合い
お互いを慈しみ
活かしあいながら
生きてきた歴史に
思いが及びます。
こうした歴史も含め
美と醜の存在を五感で感じ
まるごと表現したいと
魂で突き動かされている先生の姿は
「表現者」という存在そのもの。
自分も薔薇も
そうありたいと
掻き立てられる1日でした。
コメントおまちしております